極低出生体重児の栄養管理を標準化する利点に関する検討(ADVANCE study)

「極低出生体重児の栄養管理を標準化する利点に関する検討(ADVANCE study)」 のお知らせ

 未熟性の強い赤ちゃんに与える栄養は人工乳よりも母乳が適しています。
ですので、これまで母乳バンクがなかったわが国では、お母さんの母乳が得られるまで待って(通常2-3日)、赤ちゃんに母乳を与えることが一般的でした。
近年、欧米では、体重が1500g未満で生まれた赤ちゃんであってもできるだけ生まれたらすぐに栄養を与えるようになってきました。その理由は、栄養開始をあまり遅らせると、腸が弱ってしまったり、点滴を必要とする期間が長くなったりするかもしれないからです。日本でも母乳バンクを利用できる施設では赤ちゃんが生まれて12時間したらおなかにドナーミルクを入れ始めています。
しかし、他の施設では、前述したようにお母さんの母乳がでるようになるのを待って、おなかに栄養(母乳)をいれています。現状の日本では、お母さんの母乳を待つ方がまだ一般的ですが、どちらが赤ちゃんに好ましいのかわかりません。
ですので、赤ちゃんが生まれて12時間から母乳またはドナーミルクを用いて栄養を始めるか、母乳バンクがない施設での栄養方法と同様にお母さんの母乳が得られてから栄養をはじめるか、という研究を行うことになりました。ただし、この研究を行うにあたって、一つ問題点があります。それは、現在の我が国のNICUでは、未熟性の強い赤ちゃんに対する栄養方法に施設間、主治医間で方針の違いがあることです。
この研究は多くの施設で行われますが、ドナーミルクを使う前の管理方法に大きな違いがあると、何が変化したのかが良く分からなくなってしまいます。そこで、まずは、全国の新生児専門医に栄養方針についてのアンケート調査を行い、現状を把握することとしました。 その上で、研究参加施設には、ドナーミルクを使う前に数人分の現状を報告していただき、使用後に何が変化したのか、しなかったのかを見極めようと考えています。

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